今回は、DTMでのベースのミックスに大切なポイントを5つご紹介します。ベースの音がなんかしょぼくて困っている、ベースのミックスがいつもうまくいかない、という方はぜひ参考にしてみてください。
1,アレンジ後に音源の差し替え
DTMでの作業、という前提なので、多くはソフト音源やシンセでベース音を打ち込んでいるかと思いますが、まずはプラグイン等でどうこうしようとするのではなく、音源の差し替えを検討してみましょう。
アレンジが終わった後、様々な他の楽器の音が決まった後で、他の楽器との兼ね合いでそのベース音源がよく響くかどうかが変わってきます。単体で鳴らした際や、アレンジの初期段階でいいと思った音でも、他の楽器が加わることで埋もれてしまうことがあります。結局、ミックスは出音が全てです。まずは音源の差し替えを検討してみましょう。
がーっとプリセットを試していって、どういう音が合うのか聴き比べてみるのもおすすめ。そのまま良いプリセットが見つかったらそのまま使ったり、そのプリセットを少しいじったりしてもいいです。
おすすめのソフト音源
お使いのベース音源があまりにもしょぼい、という方は有料ソフト音源を買ってしまうのもおすすめ。かなり変わります。私はNative InstrumentsのMassiveというシンセサイザーのベースをよく使ってます。
Massiveは古いですが、太いベースのプリセットがたくさんあります。
2,キックとしっかり棲み分けする
お次はEQ。まずはキックとしっかり棲み分けする必要があります。
ベースは低音楽器ですが、ローカットが必要です。
ただし、ローカットをしすぎると太さのないペラペラしたベースになってしまうので、お使いのキックの基音とかぶらないようにローカットを入れていきます。
基音がよくわからない方はこちらの記事もどうぞ。
教科書的なベースのローカット
教科書的には、ベースのローカットは100Hz前後をカットが基本です。しかし、ジャンルや楽曲によってはキックの基音が変わってくるので、もちろんベースとの兼ね合いも変わってきます。とにかくアナライザーでキックとベースを見比べて、お互いにかぶらないようにEQ処理をしていきます。
音の太さは基音で決まるので、ベースの基音をカットしすぎないように、そしてキックとかぶらないようにEQ処理しましょう。
3,コード系楽器としっかり棲み分けする
お次もEQ編。ベースを抜けさせるためには、コード系楽器ともしっかりEQを棲み分ける必要があります。コード楽器にもローカットが必要です。200Hz以下から緩やかにカットして、ベースとキックを邪魔しないようにします。
4,サイドチェイン処理をする
ベースの音を抜けさせるために、サイドチェイン処理は非常におすすめです。ジャンルによってはやりすぎると微妙なのですが、クラブミュージックなどのエレクトロ系の楽曲には特におすすめです。
サイドチェインとは?
サイドチェインとは、プラグインのかかり具合を他のトラックの入力信号で制御するやり方になります。ベースのコンプレッサーのかかり具合をキックの入力信号でコントロールすると、ベースに邪魔されずにキックを鳴らすことができます。
しかし、キックの鳴っていない時にはしっかりとベースが鳴ります。すると、うねるような太いベースと太いキック、どちらも可能になります。
サイドチェイン処理をしてベースがしょぼくなってしまったら?
ベースのサイドチェイン処理をすることで、基本はキックが前に出てベースが引っ込みます。もちろん、キックが鳴っていない時にベースは鳴りますが、サイドチェインをしたことでベースが物足りなくなってしまうこともあるでしょう。
そういう場合、ベースのフレーズを考え直した方がいいかもしれません。
キックとかぶりすぎないように打ち込むことが大切です。
キックの間を縫うようなフレーズを意識してみましょう。
5,ベースのトラックを増やす
ベースのトラックを増やすのもおすすめです。全く同じトラックを増やすのではなく、EQ処理やその他プラグイン、リバーブ量などを少し変えたトラックを用意します。私の場合、基本のベースの少し上に鳴るように、リバーブ量を増やし、広がりのあるベースを重ねています。
まとめ
というわけで、DTMでのベースのミックスに大切なポイントを5つ紹介しました。とにかくベースのミックスは、キックとの棲み分けが鍵となってます。キックとお互いに邪魔しないように気をつける必要があります。そのために、EQやプラグインをいじるだけでなく、思い切って音源の差し替えやフレーズの差し替えも検討してもいいでしょう。サイドチェインもお手軽にキックと棲み分けられるのでおすすめです。
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