今回は、EQの3つのタイプとその使い道、そして各パラメーターについて解説していきます。ピーキングやシェルビング、といったようにいろんな用語があるEQ。各タイプの特徴と理解すると、ずっとEQが使いやすくなります。ミックスの基本であるEQを極めれば、作りたい音をより作りやすくなります。
EQの主な3つのタイプ
EQには、大きく分けて3つのタイプがあります。
1,カットフィルター
2,シェルビング
3,ピーキング
それぞれの特徴について、以下に詳しく解説していきます。
1,カットフィルター
"カット"と入っているので、その名の通りいらない周波数帯をカットをするために使われます。EQタイプを選ぶ際、「Cut」と表現されたりします。
こんな感じの見た目。低域をカットしたり
高域をカットするのにもカットフィルターは使われます。
カットフィルターは、いろんな楽器のローカットに使われます。もちろんボーカルにも使われます。
カットフィルターのおすすめの使い方
カットフィルターは、最初に断崖絶壁にしてから徐々に緩やかな坂にしていくように調整したほうが音が作りやすいです。まずはガッと削ってからナチュラルに戻すイメージで好みの音を作っていくようにしましょう。中低域はカットフィルター中心で音を作っていきます。後に解説するのですが、パラメーターの「Q」をいじることでカーブを調整することができます。
2,シェルビング
お次はシェルビング。シェルビングは、カットにもブーストにも使われます。EQタイプを選ぶ際、「Shelf」と表現されたりします。
シェルビング=シェルフ=棚
ということで、まさに「棚」のように特定の周波数帯をまとめて整理するのに向いています。していきます。
見た目はこんな感じ。ふんわりまとめて
こちらは「Low Shelf」。
こちらは「High Shelf」
3,ピーキング
最後はピーキング。こちらもシェルビングと同様カットにもブーストにも使われます。
見た目はこんな感じ。ブーストさせる場合は山みたいな形になります。
カットの場合はこんな感じ。
その他
EQによっては、「Notch(ノッチ)」というタイプもあります。ノッチは「切れ込み」という意味。ほぼピーキングと同じですが、ピーキングと違ってより鋭く細かくカットしたりブーストできます。
シャキーンとしてます。こちらはブースト。
↓はカットの場合。
まさに切れ込み。
まあ下で説明するパラメーターをいじれば結局ピーキングがノッチになるし、ノッチがピーキングになったりするのでほぼピーキングです。
EQの各パラーメーターの使い方
EQには、代表的なパラメーター(つまみ)が主に3つあります。
①Frequency
②Q
③Gain
以下にそれぞれのパラメーターを詳しく解説します。
①Frequency(フリーケンシー)
Frequencyは、操作したい周波数帯域(位置)を指定します。
②Q
Qは、山の鋭さを決めます。さきほどちょろっと書きましたが、ピーキングのQをいじるとノッチになり、ノッチのQをいじるとピーキングになったりします。
③Gain
カットやブーストする量を決めます。ちなみに、カットフィルターにはGainはありません。
CubaseユーザーにおすすめのEQ
今回の解説ではCubaseに付属の「Frequency」というEQの画像で解説したんですが、Frequencyは初心者にもわかりやすくてほんとにおすすめです。
アナライザーがついていてカットやブーストの作業がしやすいし、バンドも多いしM/S処理までできます。EQの基本は抑えながらも、かゆいところに手が届く感じ。
めちゃくちゃ使いやすいので、まだ使ったことがない方は使ってみてくださいな。
まとめ
以上、EQの3つのタイプとその使い道、そして各パラメーターについての解説でした。まずは3タイプを覚え、各パラメーターも理解しておきましょう。基本を抑えると、ぐっと作業がしやすくなります。
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