今回は、ミックスや音作りの上達に欠かせない知識「倍音(ばいおん)」について解説します。まあぶっちゃけ倍音が何か知らなくてもミックス自体はできますが、これからミックスや音作りを上達させたい場合、倍音の知識は必須です。倍音とは何なのか、そしてミックスや音作りにどう役立てたらいいのかを解説します。
音を構成する3つの要素
倍音を解説していく前に、まずは音の基本からざっと解説していきます。まず、音は以下の3つの要素から成り立ちます。
・大きさ
・高さ(音程)
・音色
音の大きさ
音の大きさはは、波形だと幅の大きさで表現されます。単位はdBで表現されます。
アナライザーだと縦軸で表現されますね。単純に、幅が大きければ大きいほど音は大きくなります。
音の高さ
音の高さは「波の数量」によって変化します。音が1秒間に何回振動しているかを「周波数」で表現します。周波数の数値が高ければ高いほど高音となり、数値が低ければ低音とされます。単位はHzで表現されます。
アナライザーだと横軸で表現されますね。
音色
音色は音波の質の違いによって生み出されます。
例えば、同じ音の大きさ、同じ高さであっても、波の形が異なると音色が変わります。
そして、この波の形は倍音の含まれ方で変化します。
倍音(ばいおん)とは
上記のように、音の高さは周波数で決まりますが、実は音程を決める「基音(きおん)」の周波数の他にも、2倍、3倍、4倍といったように整数倍の周波数がいくつも含まれています。
このように、音は1つ鳴らしているつもりでも、同時にいくつもの音が鳴っています。
そして、倍音とは、この鳴らしている音の他になっている音のことを指します。
倍音は、楽器や人の声だけでなく風や雨の音など音程感のある全ての音に含まれています。
倍音の知識をミックスに役立てるには?
先にも書きましたが、音色は倍音の含まれ方によって変化します。そのため、ミックス時に例えば
・もっと輪郭をくっきりさせたい
・もうちょっと明るい印象にさせたい
・もっと派手にしたい
・もっと激しくしたい
といったような場合には、イコライザーで倍音を弄ることで解決できます。
ボーカルの処理って結構難しいですが、倍音を気にしながらミックスしていくと、今までよりももっといい感じにボーカルの処理が可能になったりします。
倍音の知識を音作りに役立てるには?
音作りと言えばシンセサイザー。シンセサイザーといえば、あらゆる音を再現することができますよね。
そして、シンセサイザーの基本の音であるサイン波ですが、このサイン波を組み合わせることで、理論上はどんな音でも再現することができると言われてます。
さて、すべての音は複数のサイン波の組み合わせでできている・・・ということは、逆に考えると
「どんな複雑な音でもサイン波の組み合わせで作り出すことができる」
ということになりますね・・理論的には・・・
引用元:倍音(ばいおん)とは?【今さら聞けない用語シリーズ】 – Digiland (デジランド)|島村楽器のデジタル楽器情報サイト
シンセサイザーは色々と進化してますが、基本は現代でもあまり変わっていません。シンセサイザーは
・大きさ
・高さ
・倍音
をコントロールすることで、様々な音を作り出すことができます。ってこれ、ほぼ一番最初に出てきた音の三要素のことですよね。
これだけシンセサイザーが進化した今でもシンセサイザーの基本的な部分はそれほど変わっていません。シンセサイザーの目標が「楽器音の再現」であったことから、シンセサイザーの回路は楽器の発音構造をシミュレーションするために設計されています。楽器のシミュレーションとは「音高と倍音と音量の時間変化をコントロールする」ことです。「音高、倍音、音量」を時間と共にコントロール出来るようにシンセサイザーは設計されています。
引用元:出したい音が出せるように追求できるようになるシンセサイザーの基礎知識 | Rock oN Company | DTM DAW 音響機器
というわけで、倍音はミックスや音作りのために欠かせない知識ということでした。まあとりあえず、倍音=基音の上になってる整数倍の音、という感じでざっくり理解しておくだけでOKです。
まとめ
以上、ミックスや音作りの上達に欠かせない知識「倍音(ばいおん)」についての解説でした。細かい音作りとかの話はまた別記事で解説しようかなと思っております。