今回は、オプトタイプコンプレッサーについて解説します。
世の中には電気式やら真空管やら様々なコンプレッサーがありますよが、その中でもオプトタイプコンプレッサーはどのような特徴を持っているのか、またどういった処理に向いているのかについて解説していきます。
コンプレッサーの種類
まず、オプトタイプコンプレッサーについて説明する前に、コンプレッサーについて少し解説します。
DTMで使用できるコンプレッサーには非常に様々な種類がありますが、超ざっくりわけると以下の通り。
- アナログコンプレッサー
- デジタルコンプレッサー
アナログコンプレッサーの特徴
アナログコンプレッサーは、一言で言うと、実機のコンプレッサーをシミュレートしたコンプレッサー。
こういう見た目のやつ。
デジタルコンプレッサーの特徴
デジタルコンプレッサーは、実機のコンプレッサーをシミュレートしたものではなく、はじめから独自ソフトウェアとして開発されたもの。
代表的なCubaseのデジタルコンプレッサー。いろいろツマミをいじって音を作っていきます。
アナログコンプレッサーとデジタルコンプレッサーの音の違い
アナログコンプレッサーとデジタルコンプレッサーで作る音には以下の違いがあります。
アナログコンプレッサー=音に味を付けられる
デジタルコンプレッサー=音に味をつけないので無色透明なコンプ感
よく音に温かみをプラスするプラグイン〜とか言うじゃないですか?ああいうのは、アナログコンプレッサーを使って作られます。
今回のテーマであるオプトタイプコンプレッサーは、アナログコンプレッサーの1つ。
なんですが、デジタルコンプレッサーでも、オプトタイプ(アナログ)コンプレッサーの特徴を搭載したコンプレッサーなんかもあります。
WavesのRenaissance Compressorとか。デジタルかオプトタイプかを選べます。
オプトタイプコンプレッサーとは?
では本題。オプトタイプコンプレッサーは、音声(入力信号)を光に変換し、ゲインリダクションを光量によって制御します。
これだけ聞くとなんのこっちゃ?という感じなんですが、とにかくオプトタイプコンプレッサーの音の特徴は、アタックタイムが遅いこと。
自分でアタックタイムをいじれないんですよね。固定。
しかし、そのアタックタイムが遅いおかげで非常にナチュラルなコンプの掛かりを実現します。ナチュラルにヌルっと圧縮されるイメージ。
柔らかさを出したい時や、原音の特徴を崩しすぎずナチュラルな仕上がりしたい時に向いています。
オプトタイプコンプレッサーの呼び方いろいろ
オプトタイプコンプレッサーには、以下のように様々な呼び方があります。
- オプトコンプ
- オプティカルコンプレッサー
- 光学式コンプレッサー
オプトタイプはどのような処理に向いている?
オプトタイプコンプレッサーをかけた音はヌルっとナチュラルに圧縮されますが、じゃあ実際にどのような処理に向いているかというと、ボーカル処理になります。
あとは、アコースティックな楽器でナチュラルさを失いたくない場合にも向いています。まとめると、オプトタイプコンプレッサーに向いているのは以下のようなトラック。
- ボーカル
- ピアノ
- アコースティックギター
- ストリングス
とにかく自然なコンプ感なので、マスターコンプに使われることもあります。
オプトタイプはどのような処理に向いていない?
逆に、オプトタイプコンプレッサーには向かない処理もあります。
オプトタイプはとにかくコンプがヌルっとかかるので、キックなどのアタック感が重要な楽器には向いていません。
ヌルっとしたキックだとノれないですもんね...。
まとめ
以上、オプトタイプコンプレッサーについての基本的な特徴や使い方についての解説でした。まずは代表的なボーカル処理に使ってみて音を確かめてみるのがいいんではないでしょうか。